与党の歴史的大敗で幕を閉じた衆議院選。自民党は大きく議席を減らし、公明党と合わせた与党でも過半数を割る結果となりました。公示前から逆風とされていた、派閥裏金事件や選挙中に起きた非公認候補側への2000万円支出問題に対して国民の回答が結果に出たのではないでしょうか?
石破首相は10月28日の自民党本部で会見をおこない、自身の進退について「批判に適切に応えながら、現下の厳しい課題に取り組み、国民の生活と日本を守ることで職責を果たしていきたい」と続投を表明しています。
ここからは衆議院選結果から見る首相指名選挙の行方について調べていきます。
衆議院選結果から見る首相指名選挙の行方とは⁉︎
首相指名選挙とは何か
首相に関し「国会議員の中から国会の議決で、これを指名する」と定める憲法67条の規定に基づく選挙。衆参両院の本会議で実施する。党総裁選の直後や内閣総辞職後の国会で行われ、他の案件よりも優先される。引用元:日本経済新聞
今回は衆議院選の投票日から30日以内に臨時国会が召集され、首相指名選挙が実施される見通しです。
石破首相も総裁選を経て、1日に召集された臨時国会で実施した首相指名選挙によって第102代首相に就いそうです。
衆議院選結果に見る与党の動向
与党が過半数を下回る結果となった衆議院選、自民党では「執行部の誰かが敗北の責任をとるべき」という意見が出る一方で、「逆風の中で第一党を維持できたことは大きい」という声もあります。石破首相は続投の意欲を示す一方、執行部では選挙対策委員長の小泉氏が、敗北の責任を取り辞任されました。
公明党は、公示前の議席数32席から24席となり、石井代表自身も議席を失いました。石井代表の記者会見では自身の進退について明言しませんでしたが「国会議員でなくなれば、代表を続けるのにいろいろな困難が伴う」と辞任の可能性に触れていました。
与党の議席が過半数割れした国会への影響
与党では過半数獲得を目指し、新たな政党との連立政権を模索中。ここで党内随一とされる調整力や安定感をもつ、森山幹事長の手腕の見せ所となります。森山氏は国会対策委員長の経歴が長く、野党側にも太いパイプを持つことで知らる党三役の一人です。
森山幹事長も、辞任した小泉氏と二人三脚で衆議院選を戦っていたと思います。
敗戦の責任を小泉氏一人が背負って辞任した理由はここだったんですね。
野党では、野党第一党として立憲民主党は指名選挙でほかの野党に野田代表へ投票するよう協力を求める動きです。
また今回の衆議院選で公示前から議席数を4倍となる28席を獲得した国民民主党の玉木代表は、自民党からの接触を受けているようですが、指名選挙となれば自身が総理大臣へ名乗りを上げることも選択肢の一つとして考えているようです。
各党の思惑が交錯しているようです。
まとめ
衆議院選結果から見る首相指名選挙の行方とは⁉︎
・首相指名選挙とは何か
・衆議院選結果に見る与党の動向
・与党の議席が過半数割れした国会への影響
与野党の第一党が政権を勝ち取るため、そのたの政党へ調整がすでに始まっています。そのたの政党は第一党の政策を確認したうえで判断する見通しです。
今回の衆議院選の結果を見てある政治学者はこのように見ています。
「今回の選挙結果は政治とカネの問題を世論が厳しく糾弾した結果だ。野党の政党支持率が与党を上回らない状態で今回の結果になったことは、政府の失敗に対する国民の評価が現れたのだと思う」
「世論が後押しして、政治改革をすべきという流れになった意味では、細川内閣*が成立した時と非常に似ている。今後は少数与党として、これまでよりも国民の目を意識した政権運営をやっていくことになると思う。より多様な国民の声が届きやすくなる面もあるので、国民は政治に対していろいろな要求をしていくべきだ」
細川内閣 非自民・非共産8党派の連立政権である細川内閣の発足により、1955年(昭和30年)の結党以来、38年間単独政権を維持し続けた自由民主党(自民党)が初めて下野し、55年体制が崩壊した。引用元:ウィキペディア
確かに複数の党によって連立している方が国民の声は届きそうです。ですがその声を議論し判断を下す時に、意見をまとめるのは大変そうです。
臨時国会が開かれるまで、与野党の攻防戦に注目が集まります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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