自民党総裁選挙が27日午後におこなわれました。
1回目の投票ではいずれの候補者も過半数に届かず、決選投票の結果、石破茂氏が215票、高市早苗氏が194票で、石破氏が過去最多の9人が立候補する大混戦を制し、第28代総裁に選出されました。
ここでは石破氏が当選を果たした勝因について、調べていきたいと思います。
総裁選に9名の候補者が出馬しかつてない激戦の中、石破氏が当選を果たした3つの勝因とは?
決戦投票での「至らぬ者スピーチ」
今回、決選投票に残った石破氏と高市氏に5分間ずつのスピーチの時間が設けられました。
石破氏は壇上で自身について「私は至らぬ者だ」とし「議員生活38年になる。多くの足らざるところがあり、多くの人々の気持ちを傷つけ、いろいろ嫌な思いをした人が多かったかと思う。自らの至らぬ点を心からおわび申し上げる。」と冒頭で頭を下げ、政策についてのスピーチを続けました。
この冒頭の“至らぬ者スピーチ”が、聴講していた議員の心を動かしたのではないでしょうか。
石破氏の演説全文はこちらから
決選投票での旧派閥票
石破氏は議員票の獲得が課題でしたが、岸田首相が旧岸田派に対して、決選投票では高市氏以外に投票するよう呼びかけ、石破氏の支持に回ったと言われています。
石破氏は事前に岸田氏とコンタクトをとっていて、岸田政権の政策を継続することを約束していたみたいです。先を見据えて動く能力が、政権でも発揮されることを期待したいですね。
悪さ加減の選択
高市氏・小泉氏・石破氏の3強が予想されていた総裁選。
小泉氏は、さわやかでよどみない弁舌が「武器」でしたが、15日間に及ぶ論戦で政策理解の不十分さや、政策実現のための戦略の不透明さ、そして経験不足が露見されていまいました。
高市氏は、保守派の政治理念を「右寄り過ぎる」とする受け止め方が党内で強くありました。また「首相になっても靖国神社を参拝する」と宣言するなど、外交面でも悪影響が出かねないと不安の声が、決選投票でもブレーキになっていたのではないでしょうか。
石破氏は、世論調査でも自民党員に対する調査でも、「人気」が根強く、以前から斜に構え持論を理路整然と静かに語るスタイルは好意的に受け止められていました。
総裁選の序盤では「政治とカネ」の問題で党勢が苦境に立たされる中、党の「顔」として「刷新感」を求められていましたが、最終的に候補者の「悪さ加減」の結果、「安定感」が売りだった石破氏へ支持が集まったのではないでしょうか。
地方創生の理念
石破氏は北海道や岩手、福島、富山、群馬、茨城、山梨、和歌山、沖縄各県などの12道県でトップに立ちました。島根県では6割、茨城・和歌山・福島県では約4割の支持を得ていました。
初代の地方創生相を務め、総裁選でも出馬表明を鳥取県で行うなど、地方重視の姿勢を打ち出したことが好感につながっていたと見られます。
地方創生に対する考え方は、次世代インターネット技術を活用して地域間の情報格差をなくし、地方への企業進出を後押しするなど、デジタルと地方創生の組み合わせで、東京一極集中の是正を実現する構想のようです。
地方創生の本質は、「上から・中央からの改革」ではできない、ということがかなり明確になったのではないでしょうか。必要なのは、国民一人一人が「我がまち」の未来を真剣に考え、自らつくっていくことです。引用元:石破氏著書『「我がまち」からの地方創生』
まとめ
総裁選に9名の候補者が出馬しかつてない激戦の中、石破氏が当選を果たした4つの勝因とは?
・決戦投票での「至らぬ者スピーチ」
・決選投票での旧派閥票
・悪さ加減の選択
・地方創生
石破氏は10月1日召集の臨時国会で、第102代首相に選ばれます。
27日午後6時に初めての記者会見に臨み、衆議院の解散・総選挙の時期について国会論戦を経た上で、できるだけ早い時期に国民の審判を仰ぎたいと述べていました。また、党役員人事や組閣は、今回総裁選挙で争った8人の議員を起用することも検討する考えを示していました。
今後も自民党の情勢に注目が集まります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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